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No,57 つげ義春はシュールで最高だ

つげ義春はシュールで最高だ

 

以前、天才シュルレアリスム漫画家として、蛭子能収を紹介した(詳しくはNo,35 パチンコで有名な蛭子能収は、天才シュルレアリスム漫画家である参照)。

その時に、ちらりと紹介したのだが、

その蛭子能収が尊敬してやまなかった漫画家がいる。

 

つげ義春

 

である。

 

ちょうど昨晩、つげ義春全集を棚から引っ張り出し、

久しぶりに読んだのだが、

ページを開いて一ページ目には、

つげ義春の世界にのめりこんでしまった。

 

いやはや、本当に素晴らしい漫画家である。

ワンピースやキングダムが大流行している昨今、

つげ義春の作品は退屈と思われるかもしれない。

しかし、つげ義春の作品は読めば読むほど味が出る。

音楽でいうとブルースのような、

食べ物でいうと酢昆布のような、

そんな存在なのである。

では、詳細情報に移ろうではないか。

 

 

基本情報

「つげ義春」

本名

  • 柘植 義春

生誕

  • 1937年10月30日

出身地

  • 東京都葛飾区
職業
  • 漫画家

ジャンル

  • オルタナティブ・コミック
代表作品
  • 犯人は誰だ!! (1954)
  • 古本と少女 (1960)
  • ねじ式 (1968)
  • 退屈な部屋 (1975)  …etc.

 

作風

 

つげ義春コレクション 全9冊セット

つげ義春コレクション 全9冊セット

 

 

つげ義春といえば「ねじ式」とよく言われる。

確かに「ねじ式」は絶頂期のつげ義春のエッセンスを詰め込んだ名作だと思うが、

実は、つげ義春の作品はかなりバラエティに富んでいるのである。

初期は手塚治虫に触発された画風で、ストーリーもわかりやすいものが多い。

「ノンコ&甚六シリーズ」や「ねずみ」なんかはもろ手塚治虫である。

そして、1960年代半ばごろからは、水木しげる的なアプローチの作品を残しており、

徐々に意味不明で個性的な作品を残しはじめる。

そして1960年代後半、とうとうつげ義春は自身の頂点へたどり着く。

「ねじ式」の完成である。

 

1970年前後のつげ義春の作品は神がかっており、

その芸術性はズバ抜けて高い。

アート好きなこのブログの読者ならきっと、

1970年前後のつげ義春を読めば、鼻血を流してしまうことだろう。

 

虚無感

喪失感

倦怠感

無常感

 

ありとあらゆる負の感情がこの時代のつげ義春作品に詰め込まれているのである。

鬱々とする作品が多いのだが、

同時に何か考えさせられる作品も多く、

読者は夢のような世界に連れていかれてしまう。

 

読後感は…。

もう、幸せになれるよ。

 

 

 

つげ義春という人物

 

つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)

つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)

 

 

つげ義春は生まれつき集団生活ができないそうだ。

幼い頃、集団生活がうまくいかず、保育園を退園している。

漫画家になった後も、精神は常に不安定であったみたいで、

1961年には睡眠薬で自殺未遂を起こしている。

1977年には妻が癌となってしまい、心身ともに疲弊したつげ義春は、

不安神経症と医師から診断を受ける…。

彼の精神はとてもセンシティブなのだろう。

 

また、つげ義春は旅好きらしい。

体調がよくなるとよく国内旅行へ出かけていた。

作品にはつげ義春本人が旅先で見聞きした情景がよく出てきており、

つげ義春がどこでどんなことを考え、作品を描いたのかを想像しながら読むのも、

つげ義春作品の醍醐味である。

 

 

つげ義春が漫画家になるまで

 

紅い花 つげ義春カラー作品集

紅い花 つげ義春カラー作品集

 

 

腕のいい板前の父・旅館女中の母の間に生まれたが、

父はアジソン病という病気によって、つげ義春が5歳の時に亡くなってしまう。

その後、母は再婚をするが、再婚相手はDV男であったそうだ。

生まれたときから自閉・対人恐怖症であったつげ義春は精神的にどんどん疲弊していくことになる。

そんなつげ義春の逃げ道が「漫画」であった。

 

1950年つげ義春は中学校へ行くことをあきらめ、メッキ工場で働き始めた。

将来は自分もメッキ工場を経営しようと思っていたらしいが、

赤面症が治らず、人と会わなくても金になる漫画家を目指すようになる。

 

その後、つげ義春は手塚治虫のもとを訪ね(当時、手塚治虫はあの有名なトキワ壮に住んでいた)、漫画家を本格的に目指すことになったのである。

 

 

つげ義春が影響を与えた作家たち

つげ義春は後に多くの漫画家に影響を与えている。

ほとんどが個性的な作家たちだが、有名な人をいくつか紹介しよう。

興味があったら読んでほしい。

誰もがとんがった個性を持つ作家である。

 

  • 日野日出志
  • 蛭子能収
  • はるき悦巳
  • 雁屋哲
  • よしながふみ

 

そういえば、私の好きな小説家川上弘美(詳しくはNo,21 芸術的小説家といえば、芥川賞受賞者の川上弘美先生である。参照)も好きだといっていた…。

 

 

映像作品

 

 

シュールな作品が多いつげ義春だが、

いくつか映画化されている。

有名なのはやはり「ねじ式」だろう。

なんと主演は浅野忠信…。

個人的にはそれだけで万々歳である。

映画「ねじ式」はいつくかのつげ義春作品を組み合わせた、

ごった煮のような作品になっている。

そもそも、きちんとした長編作品が少ないつげ義春作品を映像化するのは、

少々無理のある話である。

 

 

小ネタ

2000以降、メディアの前に姿を現していないつげ義春だが、

 

「いつ死んでもいい」

 

なんて言っているようだ。

漫画誌に歴史を残した作家だけに、長生きしてほしいものである。

 

 

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