Masasakiblog

アートを愛し、アートに生きよう。。。

No,71 手塚治虫の短編ムービーは傑作ぞろいだ。

手塚治虫の短編ムービーは傑作ぞろいだ。

 

手塚治虫

 

についてブログを書くというのは、実に勇気がいる。

というのも、あまりにファンが多いからだ。

ただし、弱小ブログである我がブログが炎上する事なんて恐らくないだろう。

たぶん…。

 

ということで、堂々と手塚治虫の実験アニメーション作品集

 

「Osamu Tezuka Film Works - 手塚治虫 実験アニメーション作品集」

 

について語ろうと思う。

知らない人は(というか、ファン以外は知らないだろう…)要チェックだ。

 

 

基本情報

「Osamu Tezuka Film Works - 手塚治虫 実験アニメーション作品集[DVD]」

作者

  • 手塚治虫

発売日

  • 2007年1月25日

収録時間

  • 152分 + 特典20分
販売元
  • ジェネオン エンタテイメント
収録作品
 
  1. ある街角の物語(1962年/39分)
  2. おす(1962年/3分)
  3. めもりい(1964年/6分)
  4. 人魚(1964年/8分)
  5. しずく(1965年/4分)
  6. 展覧会の絵(1966/33分)
  7. 創世記(1968年/4分)
  8. ジャンピング(1984年/6分)
  9. おんぼろフィルム(1985年/6分)
  10. プッシュ(1987年/4分)
  11. 村正(1987年/9分)
  12. 森の伝説(1987年/30分)
  13. 自画像(1988/12秒)

特典

  • 「展覧会の絵」1966年版オリジナルエンディング映像(2分)
  • 「手塚治虫 実験アニメーションを語る」(18分)

 

各種ストーリー解説

1.ある街角の物語(1962年/39分)

DVDのタイトルを飾る手塚治虫アニメの記念すべき一作目。

 

色とりどりのポスターが張られた街角には、いろんな人や生き物が暮らしている。

しかし、そんな平和な街に突如戦争の影が忍び寄る。

壁に貼られたポスターはあっという間に独裁者のポスターへと変わっていくのであった…。

 

この作品は、詩的な映像作品となっている。

戦争を憎む手塚治虫の想いが凝縮しており、

当たり前の日常が独裁者によって奪われてしまう恐怖を観るものに与える。

 

戦争がテーマではあるが、絵的には子供に見せても大丈夫。

いや、むしろ見てほしい作品かもしれない。

 

  • 1963年第17回毎日映画コンクール・第一回大藤信郎賞
  • 1963年第17回芸術祭奨励賞
  • 1963年第13回ブルーリボン教育文化映画賞

 

2.おす(1962年/3分)

或る殺人事件を猫が見ていた。

…。

以上がストーリーのすべて。

 

この作品は、猫の目線で作品が始まり、

終始、猫の目線から変わることがないとてもシニカルな作品である。

猫は日本語を話し、その言い回しは少々暴力的。

 

何より、あっという間に物語が終わり、

えっ!?

という結末が待っている。

面白い。

子供にはちょっと見せられない。

 

3.めもりい(1964年/6分)

写真とアニメーションが組み合わさった実験的な作品。

なにやら前衛的。

 

記憶をテーマに、

恋愛、

故郷、

仕事、

戦争、

について解説をしてくれる。

 

恐らく一番重要なのは最後のテーマ「戦争」である。

手塚治虫なりの戦争批判が繰り広げられるのだ。

 

4.人魚(1964年/8分)

空想の許されていない国に住む少年が、美しい人魚(実はただの魚)に恋をする。

が、その恋が盛り上がれば盛り上がるほどに、少年は周りから冷ややかな目で見られてしまうのであった…。

 

上記3作品に比べると、かなりファンタジックな作品。

クラシック音楽が作品をさらに盛り上げ、素敵の一言。

 

が、そこに含まれるメッセージは暗く、思い…。

私は時計仕掛けのオレンジを連想してしまった。

 

5.しずく(1965年/4分)

イカダでどこかの海を漂流する男が一滴の水を求めて奮闘するギャグ作品。

 

この作品は、とても面白い。

面白いというのは、笑いの意味で面白い。

そういえば以前紹介したヒョードル・ヒートルークの作品にも似たものがあった。

詳しくは、No,40 キュートなアニメを探している方に…ソビエト連邦出身のアニメ作家ヒョードル・ヒートルークはオススメである参照

 

6.展覧会の絵(1966/33分)

冒頭に作品解説を入れるという、珍しい作品。

ムソルグスキーの曲に絵をあてはめ、ムソルグスキーの心境を表現したようだ。

 

ディズニー映画「ファンタジア」へのオマージュ作品であり、

テレビアニメへのアンチテーゼを込めているらしい…。

が、意味不明の作品と思う人がおおいだろう。。

 

  • 1967年第17ブルーリボン賞教育文化映画賞
  • 1967年第21芸術祭奨励賞
  • 1967年第14アジア映画祭特別部門賞
  • 1967年第21毎日映画コンクール・第5回大藤信郎賞

 

7.創世記(1968年/4分)

ジョン・ヒューストン監督の「天地創造」という映画をパロッた作品。

冒頭に、

 

---------------------------------------------

制作 ディノ・ラウレンティス

監督 ジョン・ヒューストン

 

ではない。

---------------------------------------------

 

という、ナンセンスすぎるテロップが表示される。

白黒作品となっているからか、

紙芝居風で絵が動かないからなのか、

作品集の中で最も地味な印象を受けてしまう。

 

しかし、文明への風刺は強烈で、

記憶に残る作品である。

 

8.ジャンピング(1984年/6分)

個人的には名作中の名作だと思っている。

もう、素晴らしい。

素晴らしすぎる。

賛辞の言葉がいくらあっても足りない。

 

ストーリーは特になく、子供がジャンプしまくるだけの作品なのだが、

手塚治虫の短編映像作品の中ではトップクラスの作品と言っても過言ではないと思う。

作品に込められたテーマも比較的わかりやすい。

 

見てほしい。

後悔はさせない。

 

  • 1984年第6回ザグレブ国際アニメーション映画祭グランプリとユネスコ賞
  • 1985年バリャドリド国際映画祭銀穂賞

 

9.おんぼろフィルム(1985年/6分)

手塚治虫のアニメ映画への愛が込められた作品。

故意にフィルムに傷をつけたかのような加工が施されており、

見ていて目がちかちかするが、

コミカルなキャクタに癒される。

1930年代からのアメリカアニメーションからの影響がうかがえる。

 

10.プッシュ(1987年/4分)

ボタン一つでなんでも手に入れることができる男の末路を描いた作品。

どこの店で何をしても自動販売機でなんでも手に入ってしまうのだが、

服、

車、

ロボット…、

だが、唯一手に入らないもの、それは地球だった…。

 

文明社会を最大限皮肉っている。

もし、手塚治虫がスマホ時代である今を生きていたら、

どのように皮肉ってくれるのか、気になる私であった…。

 

11.村正(1987年/9分)

刀を持った侍が、

逆に刀に支配されてしまうというお話。

 

個人的な意見だが、このDVDのなかで一番好きではない。

なんだか手塚治虫らしくないからである。

だが、作品としては結構面白いストーリーをしている。

特に、最後なんか…。

ねぇ。

衝撃的だよ。

 

12.森の伝説(1987年/30分)

この作品集の中でジャンピングに次ぐ名作。

森に侵入してくる人間に対し、

自然と動物が報復をするという物語。

 

本作は序章で、第二章が作成される予定であったが、

手塚治虫が1989年に亡くなったため、未完の作品となってしまった。

が、2014年に息子の手塚眞によって二章が完成した。

 

ディズニー作品へのオマージュであり、

手塚治虫の集大成と言える作品だそうな。

 

ストーリーはわかりやすいし、

キャラクタもディズニーのようでとても見やすい。

幼き頃、この作品をみて、自然の報復に恐怖を覚えたことを記憶している。

 

13.自画像(1988/12秒)

世界5か国19名のアニメ作家がオムニバスを共作した時の、手塚治虫のパートを収めた。

短い作品だが、そこには手塚治虫らしい、ギャグがある。

  

最後に

今や、プレミアもついてるこのDVD。

持っていてよかったと思っている。

いや、一家に一台と思っている。

 

 

ブログランキング参加中!!
クリックお願いいたします。↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村