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No,19 魅惑のノイズ(ノイズミュージックの魅力)

魅惑のノイズ(ノイズミュージックの魅力)

 

ノイズはアートである。

 

 

ノイズ/ミュージック――歴史・方法・思想:ルッソロからゼロ年代まで

ノイズ/ミュージック――歴史・方法・思想:ルッソロからゼロ年代まで

 

 

ということで、本日取り上げるテーマはノイズ・ノイズミュージックである。

ノイズミュージックを知らない方のために、簡単にノイズミュージックとは何か?

を説明しておこう。

といっても、この説明は一言で終了する。

ノイズミュージックとは、ズバリ、

 

「騒音・雑音から生まれた音楽」

 

である。

ノイズミュージックの存在を知らない人が、

いきなりヘッドフォンで外界との接続を切り、

ノイズミュージックの大御所

「非常階段」「ハナタラシ」

をセットしたプレイヤーの再生ボタンを押すと、

あまりの不快感に、すぐヘッドフォンを外してしまうことだろう。

しかし、安心してほしい。

その反応はいたって普通の反応なのである。

初めて聴くのにも関わらず、彼らの音楽を、

 

「心地いい最高の音楽だね。」

 

なんていう奴は恐らく、頭のねじが数本外れている。

 

そんなノイズミュージックを、私がアートとしてとらえたいのには理由がある。

この世の中に、ノイズミュージックに対し魅力を感じる人がいるという点である。

どんなにニッチなジャンルであっても、需要がある限り存在し続けるものだ。

逆に、あなたが「すごい作品が出来た!」と、鼻息荒く意気込んでも、

それを評価してくれる人がいなければ、それは何の価値もない。

 

ただのゴミである。

 

ノイズミュージックは少なからず、それを愛する人が世界のどこかにいる。

とすれば、ノイズミュージックはアートとしてとらえることができるのではないだろうか?

 

私は、過去にノイズミュージックのイベントに行ったことがある。

大阪の小さなライブハウスであった。

初めての世界に飛び込む私は、期待と不安を胸に抱え、

ライブハウスの扉を握った。

ライブハウスの扉を開いた瞬間私はこう思ったのだ。

 

 「うるせぇ…。」

 

ステージの上には、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカルマイクといった、

当たり前のセットが設置され、演者はそれらの楽器を滅茶苦茶に操っていた。

文字通り滅茶苦茶にである。

そこで私はこう思った…。

 

「この人たち、普通に楽器を演奏することができる人たちなのか?」

 

楽器を普通に演奏できないとすれば、何の努力もなしに観客から金をとっているのだから、そう思っていたのは私だけではないだろう。

 

会場内は会話はおろか、近くで爆撃が起こってもだれも気が付けないかもしれない。

それほどの大音量であった。

入場して数分…。

早くも私は外に出たくなった。

 

だってただの騒音なんだもの…。

 

しかし、30分も会場にいた私は、ノイズミュージックの正しい嗜み方に気が付いたのである。

 

人の体というのは非常に面白いもので、

日常と違う環境にいたとしても、次第にその環境に慣れてくるものである。

気が付けば、ノイズのある世界を通常世界と言えるほどに、私はノイズだらけの会場の雰囲気に慣れていた。

それどころか、ある一定時間が過ぎたときに、ストンと頭に何かが落ちてきたのである。

 

人はそれをトランスという。

 

酒の力もあり、私は会場の異常な雰囲気に、トランス状態に陥ったのだ。

そこからがノイズミュージックの醍醐味であった。

頭にぐるぐると回る機械的な騒音に、ボーカルのシャウト。

激しく光る証明に、踊り狂う観客…。

視界が狭くなっていき、綯交ぜになる景色はまるでマーブル…。

新世界を見た私であった…。

会場を出たとき、その余韻はまだ私の脳を支配していた。

 

「ノイズすげぇ…。」

 

新感覚を体験した私は、ぼーっとしたまま、何かに取り付かれたような表情をして、ライブ会場を後にしたのである。

 

では、下記でノイズ・ノイズミュージックについて詳しく紹介しよう。

ソフトなものからハードなものまで、幅広く紹介するつもりだ。

なお、上記で私が体験したノイズミュージックは、当然ながらハードな部類である。

 

 

ノイズについて

ノイズとはその分野によって様々な解釈がある。

音楽においては、当然に「雑音」を意味するが、

映像においてな、画面にちらちらと現れる白や黒の無駄な線を表す。

古いビデオテープなどを鑑賞しているとよくあらわれる。

また、機械工学においては必要のない、電気信号を表す。

つまり、ノイズとは本来、忌み嫌われる不要の産物なのである。

 

ノイズミュージックの歴史

元々人々は、日常に存在する大気中の振動の中で、心地いいものを音楽ととらえた。

単純に考えると、その逆がノイズなのだから、ノイズミュージックは常に身近に存在していたということになる。

ということは、「雑音」を音楽と定義した時が、ノイズミュージックの始まりと言えよう。

さて、その定義はいつされたのか?

それはわからない。

謎である。

しかし、ノイズの代名詞である、電気信号(電気発信音)を音楽ととらえたのはいつかということはわかっている。

 

1919年、ロシアでテルミンという楽器が発明された。

 

moog THEREMINI テルミニ MG ETHERWAVE THEREMINI テルミン

moog THEREMINI テルミニ MG ETHERWAVE THEREMINI テルミン

 

 

 

 

正に、これが電気信号(電気発信音)を音楽に変え、楽器と定義した初めての例である。

 

その後、The Beatles「I Want You(She's So Heavy)」でホワイトノイズを多用したのは有名な話。

 

また、冨田勲は1970年後半にモーグ・シンセサイザーという電気信号を発信する楽器を有効的に扱い、全面的に電気信号を押し出した音楽アルバムを制作している。

 

1980年代後半になると、ノイズミュージックは暴力的な音楽へと進化し、

現在のように荒れ狂う音楽ジャンルへと変貌を遂げる。

今後、どのように進化するか非常に楽しみでもある。

 

思想

音楽というものは昔から政治的思想を伴うものが多いが、

1980年代後半から始まった暴力的なノイズミュージックシーンにおいても、

多く政治的思想が盛り込まれている。

詳しく書くと炎上しそうなので控えるが、

本来、排除される音を音楽ととらえたのだから、

ノイズミュージック自体が反政・怒りを表現しやすいのかもしれない…。

 

ジャパノイズ

実は、日本はノイズミュージックのメッカである。

なぜか日本で生まれたノイズミュージック(ハードなやつ)は、欧米で人気があり、

欧米人が「japanoise」なんて造語を作り出し、盛り上げてくれている。

有名な「非常階段」「ザ・ゲロゲリゲゲゲ」「ハナタラシ」は海外のコアなシーンで大人気だとか…。

 

ノイズを利用した作品

広義の意味でノイズを利用した作品をいくつか紹介しよう。

下にスクロールすればするほど、最近の作品となっている。

リゲティ・ジェルジュ「100台のメトロノームのためのポエム・サンフォニック」
メトロノームを順番にカチカチ鳴らすだけの、原始的な実験音楽。
広い意味でノイズミュージック。
 The Beatles「I Feel FIne」
冒頭でギターのフィードバックが聴ける。
ノイズをポピュラー音楽に取り入れた一例として…。


The Beatles - I Feel Fine

 

The Beatles 1962 - 1966 (The Red Album)

The Beatles 1962 - 1966 (The Red Album)

 

 

冨田勲「月の光-ドビッシーによるメルヘンの世界」

私の大好きな冨田勲のモーグ・シンセサイザーの電気信号による楽曲(オススメ)。

ノイズを心地いい音楽に変換した一例。


冨田勲 「月の光」  Isao Tomita / "Clair de Lune"

月の光 - シンセサイザーによるメルヘンの世界(期間生産限定盤)

月の光 - シンセサイザーによるメルヘンの世界(期間生産限定盤)

 

 

非常階段「THE NOISE」
ジャパノイズのゴッド非常階段の「乾為天」。
意味の分からない世界がここにある。


非常階段 - LIVE @ FREEDOMMUNE 0<ZERO>

 

乾為天

乾為天

 

 

 

その他

ここでは取り上げないが、ノイズミュージックで最も下品で暴力的なアーティストは、

「ハナタラシ」、もしくは「ザ・ゲロゲリゲゲゲ」だと私は思う。

もし興味がある人は、Youtubeをチェックしていただきたい。

その代わり、責任は取らない。

 

センズリチャンピオン-改訂版-

センズリチャンピオン-改訂版-

 

 

また、「非常階段」の女性メンバーJUNKOは、過去に自身の金切り声だけを収録した謎のCDを販売している。

 

「売れたの??」 

 

売れるわけがない。

 

一部のマニアが買っただけだそうな…。

 

最後に

本日はノイズミュージックを紹介した。

しかし、実際のところ、ノイズミュージックにはかなりハードコアなアーティストも多い。

そこにノイズミュージックの真骨頂があるという人もいるくらいである。

 

因みに、私は冨田勲が大好きである。

また機会があれば冨田勲について語りたいと思うが、それはまた別の話…。

 

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