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No,49 和の音楽はメジャー音楽になることはないが、宮城道雄は素晴らしいよ

和の音楽はメジャー音楽になることはないが、宮城道雄は素晴らしいよ

 

宮城道雄

 

はすばらしい。

約十年前、私は心の底からそう思った。

 

宮城道雄

宮城道雄

 

 

少し古い話をしよう。

他人の思い出話なんぞつまらないかもしれないが、

少々お付き合いいただきたい。

 

今から十数年前の話である。

佐々木青年は海外留学をしていた。

幼い頃から英語圏で生活するのが夢であった佐々木青年は、

意気揚々と飛行機に乗り込み、母国日本を後にした。

夢は英語を学び、英語を話せるミュージシャンになること…。

佐々木青年は夢と希望に満ち溢れ、本場で英語を学べるという喜びに心が躍っていた。

 

しかし、海外というところは当然に母国語(日本語)が通じない場所であった。

日本人が多くいる場所では英語が学べないと、

日本人が全然いないエリアを生活拠点にしたのも悪かったかもしれない。

海外生活が一か月になろうかとしたとき、

佐々木青年は猛烈なホームシックにかかってしまったのである。

 

ホームシックになったことのない人のために一応言っておくが、

ホームシックは本当につらい。

日本が恋しくて恋しくて仕方がなくなるのである。

自ら望んで海外生活を手に入れたのに、すぐにでも帰国したい気持ちになるのである。

 

このままではいけない…。

 

そう思った佐々木青年は、実家に国際電話をかけ、

昔、音楽の勉強のために買った宮城道雄のCDを送ってもらうことにした。

 

佐々木少年のもとに届いた小包は、日本の…いや、実家のいい匂いがした。

そして、佐々木青年は、異国の地で宮城道雄のすばらしさに気が付いたのである…。

 

 

 

基本情報

「宮城 道雄」

本名

  • 菅 道雄

生誕

  • 1894年4月7日

死没

  • 1956年6月25日(62歳)

出身地

  • 兵庫県神戸市

ジャンル

  • 伝統音楽
担当楽器
代表作
  • 春の海
  • さくら変奏曲 …etc.

 

作風

 

宮城道雄 名曲選集

宮城道雄 名曲選集

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宮城道雄と言えば、やはり「春の海」だろう。

タイトルを知らない方であっても、そのイントロを聴けば、

 

「あぁ、あれね。」

 

なんていいうに違いない。

そう、お正月でよく流れている

 

ちゃ~ん ちゃ ちゃ ちゃ ちゃ ちゃ ちゃ ちゃ~ん

 

ってやつである。

わからない方は聴いてほしい。

聴けばきっとわかるはずである。

 

宮城道雄の音楽は、今やこの国の祭日には欠かせない存在となっているのである。

言い換えれば、

 

日本伝統音楽のスタンダード

 

といったところだろうか?

 

最大の特徴はやはり、琴という楽器と西洋楽器を掛け合わせた独自の音作りである。

と言っても、彼の作品の多くは、琴のみの楽曲が圧倒的多数である(琴奏者なのだから当然である)。

そんな中、時折西洋楽器を混ぜ合わせ、とんでもないスケールで日本伝統音楽を新しい世界にまで押し上げている…。

今では当たり前のことかもしれないが、20世紀初頭に海外とコラボ使用なんて、

宮城道雄はチャレンジャーだったのだ。

 

琴は本来、繊細で優雅な音を奏でる楽器であるが、

宮城道雄が演奏する琴はかなり力強い。

というよりも、時に暴力的と言えるほどの音を導き出している…。

これは宮城道雄がチャレンジャーであった所以だろう。

 

 

宮城道雄の功績

 

宮城道雄 箏とヴァイオリンによる名曲集

宮城道雄 箏とヴァイオリンによる名曲集

 

 

日本の伝統音楽についてそこまで詳しいとは言えない私だが、

保守的な国であった20世紀初頭の日本で、

今までの常識を覆すような実験をしたことは評価に値する。

 

西洋楽器とのコラボレーションはもちろんだが、

宮城道雄の奏でる琴の和音には、時にディミニッシュやオーギュメントといった、

不安定な和音も多く登場する。

その上、リズムも複雑で、

複数の琴が完璧にオンタイムを刻む瞬間なんぞはため息すら出る。

 

ラジオでの音楽放送や、レコードの録音などにも積極的だったというのだから、

現在の音楽業界の礎を築いたといっても過言ではないのかもしれない…。

 

 

 

宮城道雄という人物

 

新編 春の海―宮城道雄随筆集 (岩波文庫)

新編 春の海―宮城道雄随筆集 (岩波文庫)

 

 

図書館にでもいって、宮城道雄について調べればいくらでも情報があるので、

今更感があるが、宮城道雄は目が見えない。

生まれてすぐに患った眼病により、失明したそうだ。

それもあり、音楽家の道を目指したのだろう。

8歳で琴の世界に入り、11歳で免許皆伝…。

この辺はさすが天才といったところか…。

しかし、それからしばらくは国内だけの活動であったが、

1920年に「新日本音楽大演奏会」を開催し、これを契機に西洋音楽とのコラボレーションに興味を示すようになる。

この時、宮城道雄はまだ26歳。

 

その後、1929年35歳の時にフランスのバイオリニスト、ルネ・シュメーと「春の海」を共演、録音。

これにより、宮城道雄は世界の宮城となったのであった。

 

  

宮城道雄の死は謎が多いらしい。

宮城道雄は寝台列車の車窓から落下し、不慮の死を迎えた。

しかし、事故があったのが朝方(午前3時)であり、

盲目であるにもかかわらず、一人で行動していたこともあり、

自殺説や、他殺説といろいろな噂が飛び交ったそうだ。

何分昔の話なので真相は永遠に謎だろうが、

不慮の事故により才能が一つ消えてしまうのは悲しい話である。

 

 

琴について

 

 

私も専門ではないので、手元にある資料からの受け売りだが、

実はその歴史は古い。

弥生時代の遺跡から発掘されたこともあるらしい…。

 

スタンダートな形は13の弦を張ったもので、中には17弦琴なんて言うのもあるそうな。

左手で弦のテンションを調節でき、それによりダイアトニックにも対応することができる。

さらに、演者の技術次第でビブラートやトレモロ奏法的なこともでき、

その表現の幅は広い。

 

そういえば、私がはなたれ小学生の時、

担任の先生が琴をやっていた。

その演奏を感心しながら見た記憶がある。

 

 

小ネタ

実は宮城道雄はあの東京芸大の教授であった。

また、記念すべき第一回「NHK放送文化賞」の受賞者でもある。

 

 

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