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アートを愛し、アートに生きよう。。。

No,4 著者の作品に対する愛を感じる名作「博士の愛した数式」

私は小説が大好きである。

漫画も好きだが、どちらかと言えば小説のほうが得意だ。

読み物に対して、”得意””不得意”と表現するのは間違っている気もするが、

漫画は文字と同時に絵を追いかけなければいけない。

どうも私はそれが苦手なのである。

だが、漫画が嫌いというわけではない。

漫画も大好きである。

 

さて、

「博士の愛した数式」

について語ろう。

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

 

この作品、御存じの方も多いと思う。

なんと映画化もされている。

ちなみに、私は原作を読んでしまった場合、めったなことでその派生作品を見ない。

そのストーリーを知ってしまっているが故に、

「見なくてもいいんじゃないか?」と思ってしまうのである。

 

よって、

「博士の愛した数式」

においても、映画については何も情報がない。

原作が素晴らしいのだから、きっと映画もそれなりだとは思うが、

見てないものは見ていないので、ここでは映画については触れないでおこう。

 

この作品を読んだ理由…。

まず表紙が素晴らしい

真っ白の背景に、子供が描いたようないたずらな絵がふわりと描かれているのである。

そして、ここに描かれているのは「おじいさん」。

もとい、キーマンである「博士」である。

その博士の表情が何かに驚いているような、哀しみの淵でもがいているような、

なんとも言えない表情なのである。

小説は、タイトル、本編はもちろんのこと、表紙も含めて初めて”作品”となるのは、言うまでもないだろう。

表紙にノックアウトされた私は、思わず書店(正確にはブックオフだが…。)にてこの本を手にしてしまったのである。

 

冒頭の一文を読んだ私は、その場で購入を決意した。

その文章がこちら↓

”彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートと呼んだ。”

なんと読者に物語の内容を期待させる文章だろう。

私は、家に帰って一気読みしたのであった。

 

 

基本情報

「博士の愛した数式」

発行日

  • 2003年

著者

  • 小川洋子

発行元

  • 新潮社

ページ数

  • 255

 

あらすじ

「私」は家政婦。

1992年3月、仕事のためにとある老人の家に派遣された。

派遣先は元大学の数学教授「博士」の家。

どんなことも数字の置き換え、論理的に物事を考える博士であったが、

彼には記憶障害があった。

なんと、80分しか記憶が持たないのである。

気難しい博士だったが、彼は一人の少年と出会い徐々に心を開き始める。

その少年とは「私」の息子であった。

「私」の息子は「博士」に”ルート”と名付けられる。

それから「私」と「博士」と「ルート」の三人で、

驚きと喜びに満ちた日々を過ごすのであった。

 

感想

あらすじを読んだだけで、この作品を読んでみたいと思った人も多いはずだ。

なんといっても、上記のあらすじは私のオリジナルあらすじなのだから、

思わないはずがない。

と、冗談はこの辺にして、

この作品レビューに移るとしよう。

 

一言で、この作品は本当に素晴らしい。

著者の作品に対する愛情がありありと読み手に伝わってくるのである。

暖かな文章は、まるで紅葉美しい森の中で読書をしているかのような錯覚に陥る。

もしくは、新緑潤かな森を探索しているかのような気分だろうか?

とにかく、この作品には毒がない。

しかも、美しい話で包まれた作品なのに、山あり谷あり起承転結がはっきりとしている。

小説としては間違いなく、一定レベルを超越した作品である。

 

特筆すべき点は、記憶が80分しか持たない「博士」の存在であることは間違いがない。

この作品の「博士」は明らかに物語をけん引している。

著者が意図的にプロットを組み立てたというより、

「博士」がストーリを作ったといってもいいだろう。

そして、「博士」の記憶は物語のいいスパイスとなっており、読むものを楽しませてくれる。

血のつながっていない者同士(「博士」と「ルート」)の関係も素晴らしい。

年齢が離れているアンバランスな友情を、ここまで最大限に表現した小説が他にあるだろうか。

うーむ、非の打ちどころがない。

秀作小説とはまさにこの本のような作品を言うのだろう。

読後感?

いいに決まっている。

老若男女問わずいろんな人に読んでいただきたいと私は思う。

 

小ネタ

今や、芥川賞や直木賞も凌駕してしまいそうな程の文学大賞「本屋大賞」第一回受賞作品がこの作品なのだそうな。

つまり、評論家や批評家ではなく、純粋に一般人(書店店員)が面白いと判断したということ。

映画は私の大好きな俳優「寺尾聡」主演らしい。見てないから何とも言えないが、「寺尾聡」という時点で見てみたい気もする。

 

博士の愛した数式 [DVD]

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ちなみに、表紙を描いた人物は「戸田ノブコ」という人物らしいが、この人については情報がかなり少ない。

が、それはまた別の話…。

 

 

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