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No,37 ジャズとデヴィッド・ストーン・マーチンの関係は、コーヒーとタバコのようである

ジャズとデヴィッド・ストーン・マーチンの関係は、コーヒーとタバコのようである

 

悲しきかな、「ジャケ買い」という言葉が死語になりつつある。

いや、すでに死語かもしれない。

 

今時の若者たちは、音楽や映像作品をデータで鑑賞している。

おじさんの私は、この新しい文化に対し、やるせなさを感じるのである。

 

若い読者のために、一応説明しておくが、

「ジャケ買い」とは、服のジャケットではなく、

CDやDVDメディアの表紙を気に入り、購入する行動のことである。

 

一昔前であれば、

 

「〇〇の新曲聞いた?いいよなぁ。ジャケットもカッコいいし…。」

 

なんて会話が日常的に交わされていた。

音楽や映像作品を売る会社は、顧客の購買意欲を掻き立てるため、

CDやDVDのジャケットにかなりの力を入れていた。

 

ただ、「ジャケ買い」は一種の博打であった。

表紙だけが格好良く、中身がとんでもない商品も相当数存在していたからだ。

かくいう私も、幾度となく「ジャケ買い」という愚かな行為により、

購入後、何度も悔恨の念に駆られたことがある。

しかし、ジャケットと中身が完全にリンクした作品というもの多くあった。

そんな作品を偶然手に入れた日には、

小躍りしてCDコンボを操作したものだ。

 

本日の主人公、デヴィッド・ストーン・マーチンは、

ジャズ最盛期にCDジャケットを、広告ツールからアートにまで持ち上げたアーティストである。 

Charlie Parker With Strings: The Master Takes

Charlie Parker With Strings: The Master Takes

 

 

 

表題でも明記したが、

ジャズとデヴィッド・ストーン・マーティンは、コーヒータバコのような関係であると、私は思っている。

 

嫌煙ブームである昨今、タバコは忌み嫌われるものと化してしまったが、

私が幼い頃はコーヒーを飲みながら煙草を吹かすのが、成人男性の象徴であった。

 

少年期の私は、

スーツを着て喫茶店でコーヒーを飲み、新聞を読み、タバコをふかす男性を見ると、

 

「くゎっこいい!」

 

と羨望の視線を送っていた。

ただし、コーヒーを飲むだけではその格好良さは演出されない。

コーヒーにタバコというエッセンスが加わって、

初めてニヒル(これも死語だ…)でクールな成人男性が完成するのである。

 

お判りいただけるだろうか?

 

つまり、レコード(CD)の中身がコーヒーであり、

それを彩るデヴィッド・ストーン・マーティンのイラストがタバコなのである。

ジャズのレコード(CD)を聴きながら、ジャケットを壁に飾ると、

そこはまるでジャズ喫茶…。

最高の雰囲気になること間違いなしである。

嘘だと思う人は一度試してほしい…。

 

 

 

 

基本情報

「デヴィッド・ストーン・マーチン」

本名

  • デヴィッド・ストーン・マーチン

生誕

  • 1913年6月13日

死没

  • 1992年3月1日

国籍

  • アメリカ合衆国

ジャンル

  • イラスト
  • グラフィックデザイン
  • ジャケットアート  …etc.

 

作風

デヴィッド・ストーン・マーチンは線画と単色を組み合わせた作品で知られる。

 

そして、お洒落イラストの代表格としても知られる。

 

そう、一言で、この人の作品はお洒落なのである。

 

カッコいいのである。

 

その格好よさは、部屋にデヴィッド・ストーン・マーチンのポスターが貼ってあるだけで、その部屋がお洒落な部屋に代わるほどである。

 

デヴィッド・ストーン・マーチンは、主にジャズレコードのジャケットを手掛けていた。

それもあってか、どの作品にも必ず楽器が一緒に描かれている(バド・パウエルのレコードなど、一部例がはある)。

そして、それらの楽器は、今にも音が聞こえてきそうなほどの躍動感にあふれている。

その躍動感は、特殊な視点で楽器をとらえる、デヴィッド・ストーン・マーチンのセンスから成り立っている。

 

斜め下からの角度で見たギターや、

真横から見たウッドベース。

一点透視を利用し、奥行きのあるピアノの鍵盤。

歪んだ形の楽器。

そこに、遊び心のある配色を加える。

そのセンスには脱帽してしまう。

 

もちろん、時にはイラストの中に演者を加えることもある。

似顔絵は似てるとは消して言えないが、

そのアーティストの魅力を十分に引き出している。

有名なビリーホリデイの「AT JAZZ THE PHILHARMONIC」なんて、

ビリーホリデイの半生を象徴しているではないか…。 

Jazz at the Philharmonic [12 inch Analog]

Jazz at the Philharmonic [12 inch Analog]

 

こんなお洒落なイラストを描けるなんて、

デヴィッド・ストーン・マーチンはきっと服のセンスもお洒落さんだったに違いない。

 

  

デヴィッド・ストーン・マーチンが影響を受けたアーティスト

デヴィッド・ストーン・マーチンの線画は、ベン・シャーンに大きく影響を受けたそうだ。

これには私も納得できる。

私個人的には線画だけでなく、配色等も影響を受けていたのでは?という気もする。

また、シカゴにあるスクール・オブ・アート・インスティテュート・オブ・シカゴに昼夜出入りし、多くのアーティストから様々な影響を受けたそうだ。

 

他人なくして、今はなし

 

である。 

Roy & Diz

Roy & Diz

 

 

 

残した数多くのレコードジャケット

デヴィッド・ストーン・マーチンは相当多くのアーティストと交流していたそうだ。

 

トランペットの若き天才チャーリー・パーカー

壮絶な反省を生きたビリー・ホリデイ

クールなサウンドの薬中サックス奏者スタン・ゲッツ

ビバップピアノの第一人者バド・パウエル  …etc.

 

挙げればきりがない。

それもそのはず、1950年までに100以上のレコードジャケットを手掛け、

結局、400を超えるレコードジャケットをデザインしている。

よくネタが尽きなかったものである。

 

シカゴ美術館には彼の作品が多く展示されているようだ。

いつか金があったら行きたいものである。 

レスター・ヤング・トリオ (紙ジャケット仕様)

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レコードジャケット以外の活躍

レコードジャケット以外では、雑誌のイラストを多く手掛けている。

やはり、宣伝用のイラストが多いようだ。

これは、CBS-TVのアートディレクターであったウィリアム・ゴールデンという男が関係しており、

レコードジャケットを描きまくっていた1950年代に、ウィリアム・ゴールデンがデヴィッド・ストーン・マーチンに仕事を流しまくっていた。

それもあって、CM関係の仕事が多かったとか…。

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小ネタ

デヴィッド・ストーン・マーチンはクローキルペンを好んで使っていたそうだ。
クローキルペンは滅茶苦茶細いペンである。
線画に拘っていただけはある。
 
そういえば、コーヒーアンドシガレッツという映画がある。
あれはいい映画だった。
いつかそれについても寄稿しようと思うが、それはまた別の話…。

 

 

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