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No,27 ジャズなのか?ポップスなのか?ブロッサム・ディアリーの魅力を紐解く

ジャズなのか?ポップスなのか?ブロッサム・ディアリーの魅力を紐解く

 

皆様、JAZZは好きだろうか?

今の若い人は、そんなに聞かないかもしれない。

ではポップスは?

ポップスならきっと好きな人が多いはずである。

本日は、ジャズとポップスの狭間にいるブロッサム・ディアリーが主人公である。

ブロッサム・ディアリー  

ワンス・アポン・ア・サマータイム

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このアーティストには何度心を救われたかわからない。

 

人生に行き詰った時、私はブロッサム・ディアリーを聴く。

人生が右肩上がりの時、私はブロッサム・ディアリーを聴く。

人生がどっちつかずの平坦であっても、私はブロッサム・ディアリーを聴く。

つまり、私はどんな時でもブロッサム・ディアリーを聴く。

 

それほどブロッサム・ディアリーは素晴らしいアーティストなのである。

人生のどんな局面においても、

ブロッサム・ディアリーは人生に彩をくれる。

 

しかしながら、ジャズ大好きなオジサマは、時にブロッサム・ディアリーをこうディスる。

 

「ブロッサム・ディアリーはジャズではないな。ポピュラーミュージックだな。」

 

それがどうした。

と、私は言いたい。

そんな時、私はこう反論する。

 

「ブロッサム・ディアリーはアーティストです。ジャズやポップスで括ること自体がナンセンスです。」

 

そう、ブロッサム・ディアリーはジャズやポップスといったジャンルの壁を、 

透き通った美しい声で無に変えたアーティストなのである。

 

もっと評価されてもいいはずなのに、

何故か日本のジャズ好きの間で評価がそこまで高くないのは、

音楽をジャンル分けしたいという謎の欲求が日本人にあるからだと私は推測する。

 

無駄な話はこの辺にして本題に移ろうではないか。

  

 

 

基本情報

「ブロッサム・ディアリー」

本名

  • ロジャー・キース・バレット

生誕

  • 1924年4月28日

死没

  • 2009年2月7日(84歳)

国籍

  • アメリカ・ニューヨーク

ジャンル

  • ジャズ
担当楽器
  • ピアノ
  • ボーカル
代表アルバム
  • Blossom Dearie (1957)
  • Once Upon a Summertime (1958))
  • Blossom Dearie Sings Comden and Green (1959)
  • Sweet Blossom Dearie (1967、ライブ録音)
  • Songs of Chelsea (1987)  …etc.

 

作風

ブロッサム・ディアリーをジャズとポップスの狭間にいると表現したが、

実際のところ、ブロッサム・ディアリーの音楽的ベースはジャズである。

そして、プレイする楽器はピアノである。

 

ピアニストとしてのスタイルは、至って普遍的なスタイルで、

ソニークラークのようにアグレッシブなプレイではないし、

チックコリアのように革新的なプレイでもない。

どちらかといえば、ビルエバンスのように繊細なタイプなのだが、

ビルエバンスと比べても、ちょっと違う。

これは、ブロッサム・ディアリーが弾き語りスタイルでプレイする所以だろう。 

ブロッサム・ディアリー+3

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ブロッサム・ディアリーを語るうえで、そのボーカルスタイルは非常に重要である。

理由は一つ。

ブロッサム・ディアリーの歌声が、

”天使の羽”

だからである(私見である)。

そのウィスパーボイスは、倉木麻衣も白旗を上げるに違いない。

 

ふわふわとしたその歌声を一度聞けば、どんなに荒れくれた猛獣も夢の世界に旅立つことができる。

ジャズが大好きな人で、このふわふわした輪郭のないボーカルを否定的にとらえる人もいるが、

一度この声の魅力に気が付いてしまうと、なかなか離れることができない。

一度煙草の味を知ってしまうと、やめるのが困難になるのと同じである。


私が初めてブロッサム・ディアリーを聴いたとき、

建売住宅の何の特徴もない実家が、突然お洒落なカフェへと早変わりしたように感じた。

音だけでそんな錯覚をくれる音楽は、そうないだろう。

男であれば、いや、女であってもその声に惚れること間違いなしである。

 

さらに、ビジュアル的な面においても、ブロッサム・ディアリーは素晴らしい。

特別に美女ではないが、その声から想像する容姿に相応しいビジュアルをしている。

特に、晩年期のブロッサム・ディアリーは、”紅茶を愛するおばあちゃん”といった風で、

その声、ピアノ、ビジュアルすべてを通して説得力のある音楽を聞かせてくれていた。

ブロッサム・ディアリーにとって、あのソフトなジャズは必然的に生み出された産物なのだろう。 

 

ブロッサム・ディアリーとパリ

1952年にブロッサム・ディアリーは活動の場をアメリカからフランスのパリへ移した。
そこでコーラスグループの「ブルー・スターズ」を結成している。
ジャズ・スタンダードの「バードランドの子守唄」をフランス語で歌うなど、数々の名演を残し、
その作品は一定の評価を得たようだ。

天使のようなウィスパーボイスはフランス語と大変よくマッチしており、この時期のブロッサム・ディアリーの作品は
頭一つ抜けており
ブロッサム・ディアリーを知ってて良かったと思える作品が多い。

その後、一時アメリカに帰国しているが、
パリで培ったヨーロッパ的なセンスは健在で、アルバム「Blossom Dearie」なんかは、
アメリカでの録音のはずなのに、ヨーロピアンな雰囲気が漂っている。
1960年代には、アメリカとヨーロッパを行き来する生活を送っていたようだ。
世界中の人たちがブロッサム・ディアリーの作品に魅了されたという証拠である。  
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文学とブロッサム・ディアリー

何故か、ブロッサム・ディアリーを好きだと公言する人の中には、文学者が多い。

私の周りの読書好きな人間たちも、ブロッサム・ディアリーを肯定的にとらえている。

あの「村上春樹」もブロッサム・ディアリーが好きなのだそうな。

思えば、村上春樹の作品は、ブロッサム・ディアリーのような表現(抽象的で誠に恐縮ではある)がしばしば使われている。

また、ニール・ケアリーのシリーズでヒットしたアメリカの小説家ドン・ウィンズロウは、

小説「歓喜の島」でブロッサム・ディアリーをモデルにしたキャラクタを描いている。

 

ブロッサム・ディアリーを聴くときに読書をするということは、

とても贅沢な時間を過ごすことである。

読書好きな皆様には、ブロッサム・ディアリーを強くお勧めする。  

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ブロッサム・ディアリーの駆け抜けた音楽史

ブロッサム・ディアリーは1940年代のジャズ全盛期から、

2000年代のあらゆる音楽が融合した時代までを駆け抜けた。

その間、ブロッサム・ディアリーは様々な音楽と向き合う時間があっただろう。

ジャズ、ブルース、リズムアンドブルース、フォーク、ファンク、ロック、ヘビーメタル、ラップ…。

しかし、その間ブロッサム・ディアリーは頑として自身の音楽を貫いたのである。

 

ブロッサム・ディアリーの音楽はブロッサム・ディアリーであり、それ以外の何物でもない。

音楽シーンが激しく移り変わっても、80歳を超えても現役であり続けられた所以がそこにある。

正にブロッサム・ディアリーの歌声はアートそのものだったのだ。

 

ブロッサム・ディアリーと私

私が彼女の美声を初めて耳にしたのは、

まだ音楽活動に全力を注いでいた時であった(私は元ミュージシャン志望であった)。

ある日、バンド練習が終わり、

音楽スタジオの談笑スペースでいつもの通りバンドメンバーと談笑していた時、

面白い情報をバンドメンバーから耳にした。

 

「そういえば、近くにある〇〇っていうCD屋つぶれるらしいよ。在庫整理セールしてる。」

 

「本当か!?」

 

「ああ、一枚数百円で買えるよ。」

 

「よし、今日のミーティングは終わりだ。みんなでそこに行くぞ。」

 

リーダー(私)の鶴の一声…。

いつもなら煙草とコーヒーで一時間ほど過ごす音楽スタジオを後にした我々であった。

 

つぶれかけたCDショップは、私の心をワクワクさせるに足りる雰囲気を醸し出していた。

そこかしこに張られた「一枚100円~!」という真っ赤なポスターは、未だ私の脳裏に焼き付いている。

私と私のバンドメンバーは、飢えた猛獣よろしく、安売りワゴンの中をあさりまくった。

 

気が付けば私の両手は20を超すCDを握っていた…。

そして私は、ワクワクした気持ちのまま、家に帰りCDを聴きまくったのである。

 

当時の私はまだまだ純粋な青年であり、

目にするもの、耳にするものをすべて肯定的に吸収するだけのポテンシャルを持っていた。

手に入れたCDはそのほとんどが私にとって心地のいい、癒しであった。

が、その中で一際キラキラと輝きを放つCDがあった。

何を隠そう、そのアーティストがブロッサム・ディアリーであったのだ。

その日から私はブロッサム・ディアリーの虜となり、

その日から私の人生は彩り豊かな人生と変わったのである。

 

 

最後に

なんの映画であったか覚えていないが、

やたらにお洒落な映画で、カップルがブロッサム・ディアリーについて話しているシーンがあった。

車内で、男の子が女の子にブロッサム・ディアリーの素晴らしさを説いていたのだが、

どうしてもその映画が思い出せない。

「エターナル・サンシャイン」のような雰囲気の映画だったとおもうが…。

知っている人はぜ教えて欲しい。

が、それはまた別の話…。  

レコード・コレクターズ 1985年 5月号

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