Masasakiblog

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No,7 不気味な映画「不思議の国のアリス」

皆様は「不思議の国のアリス」

をご存知だろうか?

恐らく多くの人が知っていることだろう。

あのディズニーも1951年にアニメ化している。

原作者は「ルイス・キャロル」

イギリスの作家である。

だが、本日紹介したい「不思議の国のアリス」は

チェコスロバキアの映像作家である、

「ヤン・シュヴァンクマイエル」

のアリスである。

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ヤン・シュヴァンクマイエル

実は、「不思議の国のアリス」は皆様が思っている以上に映像作品が多い。

恐らく10を超えるアリスが地球上に存在しているのではないかと思われる。

その中でも、私の大好きなアリスが、「ヤン・シュヴァンクマイエル」ヴァージョンのアリスなのだ。

タイトルはズバリ

「アリス」

である。

 

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この作品を紹介したい理由はただ一つ、

単に私が「ヤン・シュヴァンクマイエル」のファンだからである。

「ヤン・シュヴァンクマイエル」はシュルレアリスム作家のひとりとして名を馳せている映像作家のひとりである。

そして、私は悪趣味映像作品大好きとして友人の間で名を馳せている

つまり、この人の「アリス」はそういうことなのである。

 

さて、ここでディズニーの「不思議の国のアリス」について思い出していただきたい。

ディズニーは、子供向けの作品を多く残している会社なので、

「不思議の国のアリス」においても、終始夢のあるかわいらしい画風で映画を作り上げた。

しかし、冷静に考えてみれば、

「不思議の国のアリス」とは本来不気味なキャラクタが多く出現する作品なのである。

ウサギが二本足で走るなんてホラーそのものであり、

あのお茶会なんて狂気に満ちている。

なにより、首を切れと言うトランプの女王なんて恐ろしい独裁者である。

そう、

「ヤン・シュヴァンクマイエル」

は「不思議の国のアリス」見事なまでのをダークファンタジー作品に仕上げたのだ。

ちなみに、本作品をネットで探すと、グロテスクな作品だとか、陰鬱な作品だとかのレビューが転がっている。

だが、私は敢えてこの作品は幻想的な作品だと言いたい。

その辺は下記に詳しく書くので、前置きはこの辺りにしよう。

では、詳しく作品を紹介する。

 

 

基本情報

「アリス」

公開年

  • 1988年
制作国
  • チェコスロバキア

監督

  • ヤン・シュヴァンクマイエル

脚本

  • ヤン・シュヴァンクマイエル
主演
  • クリスティーナ・コホウトヴァー

上映時間

  • 86分 
 

あらすじ

基本ストーリーはディズニーの「不思議の国のアリス」とほぼ同じである。少女がウサギを発見し、ウサギを追いかける間に個性的なキャラクタと出会い、様々な経験をする。

だが、少女の経験したすべての出来事は「夢」であった…。

目を覚ました時、少女の横には夢に出てきた人形たちが転がっていた…。

と、いうお話。

  

感想

上記にも明記したが、この作品は実に幻想的な作品である。

特徴的なのは、主人公のアリス(クリスティーナ・コホウトヴァー)と、その母を除き、

すべてのキャラクターが人形である。

そして、コマ撮り効果のおかげで、その人形達がカクカク動く。

「なんだ、人形かぁ」

と思ったあなた…。

その考えは甘い…。

すべての人形が、ただの人形ではなく、”不気味な人形”なのである。

あのウサギすらも…だ。

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パペットマスターもびっくりである。

舞台はヨーロッパ文化バリバリで、映画全体として暖色系で包まれている。

画面一つ一つを切り取り、この映画の正体を知らない人に見せたら、

「お洒落な映画だね!」

とすら言われるかもしれない。

にもかかわらず、この映画はホラー要素すらあるように思えてしまう。

例えるなら、

真昼間に、お洒落なナチュラル系住宅の二階から、「呪怨」の”伽椰子”が下りてくるような雰囲気

である。

ただし、主人公のアリス(クリスティーナ・コホウトヴァー)はメチャンコ可愛い。

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クリスティーナ・コホウトヴァー

それから、この映画には素晴らしい表現がある。

”間”である。

元々オフビート映画なのだから、随所に表現の隙間が作為的に残されているのだが、

「ヤン・シュヴァンクマイエル」の作り出す”間”は匠の技といっていいだろう。

音楽の世界でも

「休符は最大の楽譜である」

という名言があるが、

映画も同じことが言えるのだということを、この作品を見て学ぶことができる。

 

さて、見終わった後の感想だが、

この映画を見たとき、私はしばらく脳が正常に機能しない不思議な感覚に襲われた。

まるで空中を飛んでいるかのような浮遊感がそこにあったのである。

間違いなく、私はこの映画の幻想世界に飛び立っていた。

 

ただし、それからしばらくの間、

私は人形に近づかなくなり、

クッキーが食えなくなった(クッキーの部分はあえて何も言わない。ぜひ見てほしいからだ。)。

決してハリウッド映画のように万人受けする作品ではないのだろうが、

私のブログを見て、一人でも見てみたいと思う人がいればとても嬉しく思う。

 

小ネタ

「ヤン・シュヴァンクマイエル」は”食”に対して独自の価値観を持っているらしい。

幼い頃から食べることが嫌いだったとか、そうでないとか…。

人間の三大欲求の一つを忌み嫌うとは、まさに”変な奴”である。

ちなみに、「ヤン・シュヴァンクマイエル」の作品は、長編作品よりも、

短編作品の方に秀作が多い(あくまで私の考えだが…。)

興味のある方は、短編集もご覧になっていただきたい。

 

ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集 [DVD]

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「不思議の国のアリス」を映画化した初めての作品は、

1903年にイギリスが制作したものだそうな。

古すぎる…。

ちなみに、「不思議の国のアリス」で成功を収めた原作者「ルイス・キャロル」は続編を作っている。

その名も、「鏡の国のアリス」。

ディズニーの「不思議の国のアリス」はこの二作をミックスした作品ということだが、それはまた別の話…。

 

 

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